第34回放送 平成29年1月26日(木)
「知覚過敏」のおはなし
1:知覚過敏とは
知覚過敏とは、歯の表面に歯ブラシの毛先が触れたり、冷たい飲食物や冷風にあたった際、歯に感じる「一過性」の痛みで、特にむし歯や歯の神経(歯髄)の炎症などの病変がない(放置し続けると非感染性に歯髄が炎症を起こす可能性もあります)場合にみられる症状をいいます。
象牙質には無数の微細管状の構造物(象牙細管)があり、これによって歯の中心にある歯の神経(歯髄)にまで刺激を伝えます。知覚過敏とは「何らかの原因で象牙質の象牙細管開口部が表層に露出する」ことにより発生する症状です。
2:知覚過敏の主な原因
・歯周病による歯肉退縮
・磨き過ぎによる歯肉退縮
・歯質の楔上欠損(主に歯磨き時、ブラシの強圧による)
・咬耗、摩耗、破折などによる象牙質の露出
3:知覚過敏の主な治療法
<ご家庭で出来ること>
・正しい歯磨き(力・持ち方・知覚過敏用歯磨剤の使用)
→かかりつけ歯科医院の歯科医、または歯科衛生士に
ご相談されるのが良いと思います。
<歯科医院で行うもの>
・歯質への知覚過敏薬の塗布
・楔上欠損への充填処置
・歯科用レーザー照射
・歯の神経をとる(抜髄)→末期的な難治性重症の場合
・マウスピースの着用→歯ぎしりや食いしばりに起因する場合
4:知覚過敏の主な予防法
・歯磨きをする→歯周病由来
・歯磨き圧の加減→150~200g(ブラシが広がらないくらい)
・歯ブラシの持ち方(ペングリップ)、巾広くこすらず振動させる
・歯ブラシの交換時期→1ヶ月くらいを目安。
・歯ぎしり、外傷破折防止のマウスピース装着(就寝時やスポーツ時など)
虫歯は歯磨きで予防できますが、(歯磨きに熱心すぎるあまり、力が入り過ぎて)歯肉が下がり歯根が露出したり、歯が削れただけで発症してしまう知覚過敏は意外と怖い存在です。皆さんもお心当たりがある場合は早めに「かかりつけ歯科医」にご相談していただきたいと思います。
次回も乞うご期待!
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