第20回放送 平成27年11月26日(木)午後2時25分~
「噛む」という当たり前のことの大切さ
<出来て当たり前の「噛む」という行為を維持するために大切な事をいくつか考えてみましょう。>
・食育(Food education)とは
人として健全な食生活を実践できるように、「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得することを「食育」と言います。
健全な食生活の実現、食文化の継承、健康の確保等が図れるよう、自らの食について考える習慣や食に関する様々な知識と食を選択する判断力を楽しく身に付けるための学習等の取組みとも言えます。
・食育への行政や歯科医師会での取り組み
倉敷市はH23年3月には第二次倉敷市食育推進計画を策定しました。計画書内の「主な指標・目標値」に「よく噛んで食べている人の割合」という項が設けられています。
倉敷市食育ポータル:http://www.city.kurashiki.okayama.jp/14234.htm
また倉敷歯科医師会でも毎年6月に主催する「歯の健康フェア」を通じて、市民の皆さんに広くお口の中の健康と食育について知って頂こうと、様々な企画を行っています。
・家庭での「食育」実践方法とは
大切なのは「旬食」・・・旬の食材を使い、春夏秋冬に則した家庭料理を供する事ですね。現代日本人が忘れかけている往年の食卓のメニューこそが「食育」に根差した献立なのです。
<でも「食育」の実践はきちんと「噛めること」が大前提ですよね。そして「噛む」という行為は上下歯があって可能となります。もし虫歯や歯周病で歯を失うことになって、それが不可能となってしまったとしたら・・・>
咬み合わせ(咬合)の崩壊について・・・当たり前の日常が崩壊するその恐怖
虫歯や歯周病で歯を失ってしまう数が多くなると、歯並びや上下咬み合わせが狂ってしまい(咬合の崩壊)、能率よく咬むことに支障を来したり、歯磨きの時にも磨き残しが起こりやすく、虫歯、歯周病の罹患や口臭を助長したりしてしまいます。また、歯自体や食事に留まらず、顎の関節や舌、顔面の筋肉の動き、顔面の歪み、発音などにも異常が生ずる可能性があります。
一方で、咬み合わせや歯並びの悪さ、口臭は第三者にも悟られる場合が多く、それに対する羞恥心やコンプレックスからコミュニケーションを敬遠したりする精神的な実害も起こし得るのです。
<ではもし咬合が崩壊したら、その現状を嘆き諦めるだけなのか? いえいえ、歯科医院はバッチリそのお嘆きをサポートさせて頂きます>
・歯科技工士と呼ばれるテクニカル・プロ集団
歯科技工士は歯科医療の中で歯科医師のパートナーシップとして口の中に入る金冠・さし歯・義歯。矯正装置などを作成する医療技術者です。作成物は患者さんの口の中で人工臓器として機能しなければならないため、高度な専門知識と技術が要求されますが、国家資格の技術職ですから男女を問わず、また海外でも活躍が期待されています。
・技工物あれこれ
虫歯で失った部分を歯科医や技工士さんが治療・復元していきます
歯科技工士が作る物(技工物)にはどんなものがあるのでしょうか? 皆さんの頭にすぐに思い浮かぶのは「銀歯」や「入れ歯」ではないかと思います。実は他にもいろいろとあるのです。
・歯科技工士になるには
歯科技工士は厚生労働大臣免許の国家資格です。歯科技工士になるためには、厚生労働大臣、又は文部科学大臣の指定した施設で必要な知識と技術を学び、歯科技工士試験(国家試験)の受験資格取得後、試験に合格する必要があります。合格すると、歯科技工士免許申請ができ、厚生労働大臣による免許証が交付されます。
歯科技工士教育は厚生労働省により、科目別に指定授業時間数が定められています。専門学院では修業年限2年という短い期間で知識と技術を無理なく効率的に習得できるように、計画的で綿密なカリキュラムが組まれています。
(岡山歯科技工専門学院HPより)
(一社) 岡山市歯科医師会立 岡山歯科技工専門学院
〒701-1202 岡山市北区楢津2182
Tel:086-284-4905 Fax:086-284-5697
http://www.odlts.ac.jp/
もし皆さんが何らかの原因で歯を失うことになったとしても、決して手遅れではありません。むしろその現状を放置する方がずっと恐ろしいのです。
我々、倉敷歯科医師会は歯科技工士さんや歯科衛生士さん、医科の先生方とも深く連携をとりながら、皆さんの肉体的・精神的な健康回復・維持増進に尽力しています。どうか勇気を出して怖がらず、面倒くさがらずに歯科医院の戸を叩いて下さい。その先には食事や人と明るく接することの喜びや大切さをもう一度実感・再認識できる世界が広がっているはずですから・・・。
次回も乞うご期待!
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